谷津矢車の「唸る長刀」。

★3.5  文庫本 天保年間、江戸で話題となった長刀をあやつる剣客・大石進の若かりし頃の物語。

舞台は九州有明海を臨む柳河藩、あの西国無双といわれた立花宗茂を藩祖とする地。

藩の剣術指南役の大石家に生まれた進は15歳、己の剣の未熟さを嘆き、いかにして上達すべきか苦悩する。そんな折、城下に剣豪を含む盗賊集団が・・・。

友で捕り方の息子・幹助、先輩格の大村伊織、上士の息子らしき友之丞、そして竹材を扱う十兵衛、おまさの兄妹との出会い。

身長7尺、体重30貫の巨漢となっていた進、タイトルから行き着く先は見えているのだが、悩み成長していく姿がほのぼのとして