風野真知雄の「猫鳴小路のおそろし屋」。

★3.3   シリーズ初作。4つの連作。

京橋に近い新両替町1丁目の骨董屋「おそろしや」が扱う品物にまつわる物語。信玄の影武者の話、水戸黄門晩年の悪夢の話、葛飾北斎の右腕図の話、203高地で活躍した佐藤中将の話、というように骨董というよりも、その人物に焦点を当てた逸話的な物語として語られる。

従ってこのタイトルも意味をなしていない。しかも4話目では、店は現代となってしまう。続編(この時点で2作目が出ている)をどう書き継いでいくのか、いらぬ心配なのかな。

内容はまあまあの出来だが、骨董品の必然性が感じられないのは残念。

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