大日本帝国臣民としての朝鮮人従軍慰安婦

朴裕河の「帝国の慰安婦−植民地支配と記憶の闘い−」を読了した。著者は大韓民国世宗大学校日本文学科の女性教授で、韓国において日本近現代の文学・思想の紹介、夏目漱石や大江健三郎等の著作の韓国語への翻訳を手がけている。本書は、日韓間で対立の激化している朝鮮人従軍慰安婦の問題を、大日本帝国の植民地支配体制という観点から再検討したものである。なお本書は韓国において、元従軍慰安婦9人から名誉棄損だとして、本書の出版を差し止めと損害賠償の訴えを提起され、2015年2月17日にソウル東部地裁は、34カ所の削除を求める仮処分を決定している。
 本書は朝鮮人従軍慰安婦につい