ストーカーとの和解

三上延の「ビブリア古書堂の事件手帖 6」を読了した。著者は、ホラー系統のライトノベル出身の作家であるが、本シリーズを上梓した以降は、ミステリーも手掛けている。本シリーズは、北鎌倉にある古書店「ビブリア古書堂」の美人女主人篠川栞子が探偵役、従業員の五浦大輔がワトソン役の古書に纏わるミステリーであ、本書はシリーズ初の長編である。
 前作の最後で、第一巻で栞子を傷付け逮捕され、その後保釈中の田中敏雄の名前が書かれた手紙が古書堂に投げ入れられたが、本書はその前作を受けて書かれている。
 その手紙には、栞子が太宰治の「晩年」の初版本をすり替えたことを知っていると書