季巡り短歌 2015年初夏

季節がずれていますが。。。

「皐月の思惟」

回りゆく地球の仕組み止むなくてたちまち暗し緑と茅花(つばな)と

老い人の植ゑゐる何かたちまちに人参なすびモロコシも出づ

吾といふ竜巻襲来ダンゴムシの団居(まどい)儚し目をそむけつつ 

日に幾度すいとガラス戸よぎる影 尾のみ見わけて猫の道なり

星なくて機体ぽつんと光る夜墨一色の蓋あるごとし

実際は空一杯に星々の燦然と照る粒子に満ちて

そんなことが明日起こるとは知らぬまま蟻も子供も時の往くまま

文明の滅びの跡を覆ふとふ蔦ハイウェイの壁に清けし 

しげりたる蔦のみどり葉ながれ落ち新宿変容 固きがや