高橋義夫の「御隠居忍法3 鬼切丸」。

★3.5 シリーズ3作目。しばらく中断していたが、読み続けることにした。8つの連作短編で短い物語の構成であるため、気軽に楽しめる。

御広敷伊賀者だった鹿間狸斎は40歳で息子の忍に家督を譲り隠居した。娘の奈々江が笹野藩の家臣に嫁入りした国許へ移り住もうというもの。

この時、妻の志津江は「あなたさまのお世話はいたしかねます」と宣言し、尼となって江戸に残った。別居するというのだ。この巻ではその志津江を頼る一編もある。

狸斎の五合枡村(現:山形県米沢市)での生活が始まる。この巻では狸斎が若い女中に手を出し、小松という娘も生まれている、軍鶏侍とよく似た設定だ