森真沙子の「幕命奉らず 箱館奉行所始末4」。

★3.5  シリーズ4作目。
この表紙は何だ―、最後の頁を読んでやっとわかった。幕府の御用船で去る小出奉行を、皆で凧を揚げて見送ろうというもの。

今回は5つの連作短編。水戸天狗党の残党騒ぎ、カラフトの領土問題、ギリヤーク人の遭難者、箱館の柳川鍋と新奉行の剣技、鈴蘭の毒による殺人事件。

時代は慶応2年(1866年)5月で終わった、いよいよ最後の奉行・杉浦兵庫頭の時代となる。

読者は幕末維新の時期を知っている、だが彼らはまさか箱館が騒動に巻き込まれるとは予想さえしていないのだ。函館戦争はまだ先、それまでにもうひと波乱か。

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