高橋義夫「狼奉行」。

★3.5  作者の直木賞受賞作「狼奉行」の他「厦門心中」、「東洋暗殺」の中、短編。

「狼奉行」は、東北の小藩で、将来を期待された若侍・祝靭負(いわいゆきえ)が、城下から十数里離れた山代官所の勤務を命ぜられ、そこで起きた物語である。

冬には数メートルもの雪に覆われる厳しい自然の地。山中には数百ものかせぎ(狼)が群れをなしている。

ある冬、彼らの間にかせぎ病(狂犬病)が蔓延し、村人にも被害が出始めた。靭負は狼の群れを谷に追い落とす作戦を実行する。

藩内のお家騒動にからめ、自然の厳しさや、マタギの生活をも描いており、長編で読みたい内容。

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