風野真知雄の「卜伝飄々」。

★3.3  塚原卜伝が70歳近くになってからの回国修行の物語。7つの短編からなる。

体の衰えは避けられず、できれば戦いを避けたいところ。巷に卜伝の名は天下随一と知られており、今更名を売る必要もない。そういう意味で「飄々」なのであろう。

「鍋の蓋」では、いかりや長介演じる卜伝とドリフのメンバーとのドタバタ劇が思い出される(笑)。

「南蛮狐」で卜伝について回り、戦場荒らしをやっていた五助が、講釈師となって後世の宮本武蔵に、卜伝のことを語って聞かせるのは面白い趣向ではあるが、全体として唸らせるような物語はなかった。ちょっと残念。

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