★3.7 読メでこの本が未読であることに気が付いた。
話の展開には無理なところもあるが、この作家にしては異色の面白さに一気読み。
豊後臼隈藩の筆頭家老だった父が罪を得て切腹、江戸へ出た嫡男の慎吾は手習いの師匠を勤めていたのだが、あることで国元へ。藩政を壟断する荒木大膳の追い落としに成功するのだが・・・。
時代考証にピカ一の作者、当時の手習いと、藩政の年貢事情を詳述している。
モデルは「蜩ノ記」と同じくソババッケの地元大分県の臼杵藩、年貢制度や特産品の会所制度などうまく取り込んでいる。
天保の藩政改革を断行した家老の村瀬通吉がモデルか。「御勝手方