新潮社編『私の本棚』新潮文庫。今月の新刊。
　23人の愛書家が、増え続ける本を収納する本棚をどう確保するか、その本棚について語っている。
　当初はスチールの書棚1本で納まっていたものが、やがて自室を得て書斎の壁という壁は本が覆い、全てひと目でわかるように背表紙を見せておきたいという思いも断念して、前後2層3層になって奥に閉じ込められた本は陽の目を見ることもなく、必要な時に探し出すのも一苦労するようになる。
　そして家族の非難を受けながら廊下に書棚を設え、家を出た子どもたちの部屋も侵食して床にも積み上げ、挙句の果ては別宅を手に入れてそこに収納するという人も