2月の俳句帳(40)

1 )沈金の廣辞林措(お)く蔵の春

2 )木枯らしの爪を研ぎたる鳥見川

3 )青藍の星冴ゆ夜空終電車

4 )春冷えを咥えて戻る散歩犬

5 )冷たさも開花待つ間の一里塚

6 )ぐい呑みや麦焼酎の春の水

7 )裸木に星綺羅咲かすアニメかな

8 )余寒風あかぎれ二ヶ所足かかと

9 )水温(ぬる)む亀の親子の濁(にご)り河

10)山菜の味の苦みや春香る

11)繍眼児(めじろ)来て梅枝騒ぐ春の使者

12)廃線の叢(くさむら)ほっこり春芽吹き

13)茶懐石椀に浮く鳥鶯(うぐいす)見

14)京老舗(しにせ)鶯餅で春迎へ

15)気嵐(けあらし