「吟行」の日記一覧

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たんぽぽ句会23回 12月15日(金)

たんぽぽ句会23回 12月15日(金) ・ 記憶力補い合うてひなたぼこ    淡雪 今日もまた出来た事あり暦買う   淡雪 顔振の天望のぞむ冬の富士     夏生 今わかる父の優しさ冬野菜     夏生 正月の父の手作り器かな      夏生 雲間より遠く富士の嶺ピザランチ  陽清 …

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五月の俳句帳(121)令和五年5月31日

1)坪庭の前の座卓や新茶の香 2)箱根八里馬鈴(ばれい)聴く初夏街道図 3)釜飯や浅蜊(あさり)たかんな友集う 4)草笛に寄り添う調べ川瀬音 5)清流や萌ゆる水草青葉風 6)並木雨夜目(よめ)に灯す黄(き)金糸梅 7)群れ盛る灯心岸辺火を灯す  灯心=糸とんぼ 8)森奥にゆらりマントの黒揚羽 9)川杭に残像を遺す青翡翠 10)老鶯の声を合図に…

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四月の俳句帳(120)令和五年4月29日

1)和蠟燭(ろうそく)蝶呼ぶ灯り鄙(ひな)の宿 2)山奥の清明な空過疎の里 3)古民家の敷居の段差春カフェ 4)春霖(しゅんりん)やヴィバルデイを聴く庭座敷 5)陶皿を鳴らす雨音春時雨 6)木の芽雨萌葱(もえぎ)の並木観て歩く 7)穀雨来る南高実梅鈴なりに 8)柑橘の花芽累累(るいるい)穀雨庭 9)選挙戦終わりて川辺花筏(いかだ) 10)春愁…

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三月の俳句帳(119)令和五年3月30日

1)早蕨(さわらび)と名歌詠みたる老舗(しにせ)菓子 2)北窓を開き蠟燭(ろうそく)薄明かり 3)花筏(いかだ)染井の栄華移ろいて 4)春光に御堂(みどう)の柱木目仏 5)川蛇行春光受けて耀(かがよ)いぬ 6)橋袂(たもと)飛び出す翡翠(ひすい)光る風 7)遡上(そじょう)ぼらぽちぽち海へ水温む 8)雨濠辺初音を洩らす白繁み 9)南高の白梅群れる白…

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京都植物園吟行

 今日は、久しぶりに京滋句会の吟行で、京都植物園に行きました。参加6名で、10時30分集合。集まった時は雨でしたが、11時を過ぎると雨も止み、吟行に最適は日和になりました。梅は散りながらも残っており、桜は品種により芽が膨らんだ程度から、五部咲、満開、更に河津桜は散り始めていました。係の人は、来週以降が桜の見ごろになると言っておられました。参加者から各1句を掲載させていただきます。  生かさ…

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2月の俳句帳(118)令和五年2月27日

1)朝散歩小枝呼ぶ止む冬並木 2)棟上げや春の足音杵の音 3)浮御堂窓辺ぼんやり春灯し 4)薄氷(うすらい)の溶け行く池に浮御堂 5)声明(しょうみょう)や唸りに春の声灯り 6)庭鶯(うぐいす)機敏なれど音(ね)の洩れず 7)料峭や尿意の切迫道川辺 8)料峭(りょうしょう)を浴びて涙目並木坂 9)ぼらの遡上鷺・人集う春の川 10)方丈の鬼目柱…

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1月の俳句帳(117)令和五年1月30日

1)遡上川電光石火の寒翡翠 2)閑寂や添水唐臼冬陽落つ 3)銀鈴を川面に遺し寒翡翠 4)山茶花の蜜吸う鳥や鄙(ひな)の寺 5)京町家障子仄かに人の影 6)冬の園日溜まり集ふ猫会議 7)輪島塗屠蘇器寿ぐ三が日 8)ラジオより謡曲の節淑気帯ぶ 9)鉄瓶の沸きて初釜集ふ声 10)河豚(ふぐ)店の筧(かけい)と蹲踞(つくばい)壺の庭 11)皿て…

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年始の過ごし方

「お迎え」を待つ身にとって、銭のかからぬように過ごすのが一番です。 神社の参拝も「からくり」を知ってしまえば、行きません。 買い物も、欲しいものが有りません。 特にと言えば「現金」ぐらいです(笑)。 年賀状も現役の頃よりは1/20です。 それも「終わります」の賀状を出したので、今年限りでしょう。 暇つぶしの俳句だけは続けています。 金も要らず、句会に出ても1000円程度…

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12月の俳句帳(116)令和四年12月29日

1)黒ジョカの割り水炭火(すみび)舌に滋味 2)チョコを手にオールド・パーで酌む聖夜 3)文旦酒(ぶんたんしゅ)仕込む塩梅(あんばい)日の短(ひのみじか) 4)燗ぬる目「獺祭」(だっさい)吟味で歳送る 5)凍て月の耿耿(こうこう)照らすウクライナ 6)昏鐘のおちこち伝播(でんぱ)谷凍る 7)弦楽の揺らぎに魅惑月冴ゆる 8)禰宜(ねぎ)歩く下駄音澄みし冬の…

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11月の俳句帳(115)令和四年11月29日

1)北斎の大浪(おおなみ)漕ぎて冬支度 2)声明(しょうみょう)や谿(たに)への木霊(こだま)冬に入る 3)苦悩より添水唐臼(そうずからうす)夕陽落つ 4)コロナ禍に併(あわ)せ円高吹く凩(こがらし) 5)雄蟷螂(とうろう)目合(まぐわい)逐えて喰われけり 6)露地奥は行き止まりなり秋の暮れ 7)月蝕や話題かしまし秋夕餉(ゆうげ) 8)畳み目に茶道の所作…

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10月の俳句帳(114)令和四年10月31日

1)ぐい飲みを蕎麦猪口(ちょこ)として秋夕餉 2)川散歩しばし浮遊の銀蜻蜓(やんま) 3)そよ風に蝶道の翅(はね)紅葉(もみじ)色 4)盆栽の枝くね曲がる老いの秋 5)家猫の近づく寝床うすら寒 6)掛けマスク通し香(か)を聞く金木犀 7)名古屋城菊花展を観に行かん 8)秋桜(コスモス)や百恵の唄が蘇(よみがへ)る 9)皮むきし茹で衣被(きぬかつぎ)…

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9月の俳句帳(113)令和四年9月29日

1)清流の行く先一軒鄙(ひな)の秋 2)秋の蚊に燐寸(マッチ)で線香庭戸口 3)客人を迎へる座敷茶立て虫 4)落ちる葉の舞ふが如き飛ぶ秋蝶 5)空澄みて欄干の群れ朱く翔ぶ 6)蒼輝る鱗翅の一頭庭の秋 7)さらさらと色無き風の竹林 8)藍白の空へ満月二階窓 9)水泡を立ててかわせみ秋の川 10)周回の玻璃(はり)の眼飛行川の秋 11)晩酌…

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8月の俳句帳(112)令和四年8月29日

1)どぜう汁(泥鰌汁)誘(いざな)ふ老舗(しにせ)の縄暖簾(なわのれん) 2)秋澄めば渉(わた)る小鷺の川瀬音 3)ひまわりに止まる蝶撃つロシア兵 4)水盤の門扉(もんぴ)へギョロ目の低飛行 5)茂みよりゆらり翔び立つ黒扇(おうぎ) 6)お銭(あし)増(ふ)ゆ蟇口(がまぐち)収む蛇の殼(から) 7)灯の涼し庭の龕灯(がんどう)通り雨 8)風呂上がり藍染め…

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7月の俳句帳(111)令和四年7月29日

1)水甕(かめ)の耀(かがよ)ふ門扉(もんぴ)夏とんぼ 2)朝庭の揚羽陽射しに瑞瑞(みずみず)し 3)田仕事の一段落や半夏雨(はんげあめ) 4)夏安居(げあんご)や風呂へ井戸水僧走る 5)庭座敷陽射し遮(さえぎ)る葭簾(よしすだれ) 6)青墨で床の掛け軸団扇風(うちわかぜ) 7)水撒きや坪庭皿の藍濡らし 8)蝉の声今日は雨降り耳の中 9)葉の打ちて高鳴る瓦(かわら)泣く白雨(はく…

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奈良吟行

今日は、私が所属する双樹神戸句会の吟行で奈良に行きました。参加6名で、猿沢池から、世界文化遺産の寺「元興寺 」を観て、昔の風情の残る奈良の町屋を散策しました。昼食と句会は、町屋のなかにある「あしびの郷」という催しや食事ができる施設です。我々は倉を改装して掘り炬燵形式の会食場所に案内され、ランチをとりながら句会をしました。各人8句出句で、48句で競いました。以下は、得点が入った私の句です。  福…

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6月の俳句帳(110)令和四年6月29日

1)味噌蔵の仕込む麹(こうじ)や黴(かび)の雨 2)梅雨の晴れ日の出一条海落暉(うみらっき) 3)筧水ぽたりぽたりと五月雨寺(さみだれじ) 4)老鶯と和する山寺朝読経(あさどきょう) 5)屏風絵(びょうぶえ)の墨の五彩や余白梅雨 6)青田風棚田の水面波立てり 7)黒楽の茶碗の陰翳(いんえい)初夏茶席 8)縁側へ湯呑みの二つ新茶の香 9)水郷の潮来(いたこ)伊太郎あやめ舟 10)…

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浅草寺吟行

句会の恒例吟行、浅草寺周辺。母の里に近いこともあり、メインルートは子供の頃から何度も出かけているので、未知のエリアを探してみよう。 本堂前の宝蔵門脇に位置する弁天堂。神奈川県の江の島、千葉県柏市の布施と並ぶ、関東三弁天の一つで、像が白髪であることから「老女弁天」とも呼ばれる。親しみを感じるのう。 隣あう鐘楼の鐘は、五代将軍綱吉が改鋳させたもので、芭蕉の「花の雲鐘は上野か浅草か」の「浅草の鐘」だ…

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5月の俳句帳(109)令和四年5月31日

1)青明かり灯す一山(いちざん)新樹光 2)新樹光塒(ねぐら)へ帰らぬ鳥の声 3)庇(ひさし)より陽射し膨らむ夏座敷 4)青田波螺鈿(らでん)耀(かがよ)ふ棗(なつめ)茶器 5)厳かな雅楽の笙(しょう)や竹の花 6)一枚の青田に落ちる田毎の月 7)卓上のモネの絵葉書睡蓮図 8)古陶や座卓の茶器で新茶呑む 9)さやさやと吹く風さやか竹落ち葉 10)稚魚群れる川辺の散歩青葉風 1…

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4月の俳句帳(108)令和四年4月30日

1)きな臭い穀物畠霾(つちふ)れり 2)清明の神より御加護戦火の地 3)木洩れ日を浴びし山門春絵の具 4)川瀬音岩場に残し鳥帰る 5)笙(しょう)の笛光が音へ春雅楽 6)臍(ほぞ)先をはめる槌(つち)音建てる春 7)到来の煎茶白磁で芳(かお)る春 8)蹲踞(つくばい)へ流るる筧(かけい)春調べ 9)ベンチ下伸び放題に草青む 10)葉裏より輝(ひか)る紋白庭を舞ふ 11)黄(き…