きずな

昨夜なんとなく本棚から手に取った句集。

川柳句集「きずな」  長野清子著

清子さんは最初に入った東京の吟社でご一緒した。

その後大病を患われ、回復されて後に刊行された句集だ。

随分前に頂いたが、読み返してみるといろんな想いが...。


女の一生文字盤のない時計抱く

背くのか白い牡丹の赤い芯

岐路に立つ風は妥協を許さない

その先を知りたい風の好奇心

無防備でよし雨の日の雨を聴く

うつの日も迷わずに噴く炊飯器

地図にない花屋で笑顔取り戻す

えんぴつを十本削る逃避行

狂えない仮面一つを持て余す

こころまで濡らした傘が乾かない