「ある夜、クラブで」 クリスチャン・ガイイ著 野崎歓訳

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「さいごの恋」でガイイの魅力を発見。翻訳されている残り2冊のひとつである、「ある夜、クラブで」を読んだ。

読みだしたら、止められなくなる。小説の面白さ満載である。若いときジャズのサックス奏者をしていた著者のジャズへの思いが溢れた小説である。

主人公は元ジャズピアニスト。かなりの評判で、世界各地で演奏し、信奉者もいたのだが、ジャズを取り巻く、夜、ジャズ、強い酒、ドラッグ、女、という生活に溺れ、死にかかったところを、妻に救われ、ジャズから離れ、酒を止め、ビルの空調管理という仕事をしている。

その主人公が、ある夜、出張先で仕事の付き合