木下昌輝の「天下一の軽口男」。

★3.8 上方落語の祖・初代米沢彦八の生涯を描いている。

難波の漬物屋の次男・彦八は幼い頃から、祠裏の広場に子供たちを集めて滑稽芝居に興じていた。

なかでも親方役の娘・里乃を笑かすことに至上の喜びと感じている。

辻咄家・鹿野武左衛門を頼り江戸に出た彦八は頭角を現すが、奸計にはまり江戸を追われて大坂に。生玉神社境内の小屋を舞台に絶頂期を迎える。

現在の寄席形式の落語となる前には、いろんな形態があったことが紹介されており実に面白く読める。

当時は立ち姿での咄が主流であったことに驚くし、小屋掛けの雰囲気をよく表している。

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