言葉と体験、そのあいだに横たわる溝

昨年から、お付き合いいただくようになった元大学教授の瀬田さん(仮名)
という方がおられる。
瀬田さんは若い頃より人生の問題、とりわけ死の問題について
宗教を訪ね、また臨死体験などの調査を重ねられて、
どうしたら死の克服という課題に、解決が得られるのかを
真摯に追求されてきた。

先日、瀬田さんとお話する機会があって、その場で、
いまの仏教のあり方に対して批判的な見解を語られていた。
それはこのようなことだった。

瀬田さんは、禅仏教で言う悟りの状態が会得できるならば、
死を前にして泰然自若とした態度が取れるにちがいない
という想定を立てて、禅寺の住職さん