植松三十里の「猫と漱石と悪妻」。

★3.5 文庫書下し 
NHKドラマの影響で読むことに。これまで漱石の個人的なことには興味がなかった。文豪と呼ばれる超人としての人間には魅力を感じない(単なる反発か)からかもしれない。

だが、その先入観はガラリと変わった。漱石の精神疾患は相当酷かったようで、やたら癇癪が起こす。それも不定期な周期で繰り返す。更に晩年には胃潰瘍に苦しみ最後もそれである。

よくぞその妻を続けられたものである、7人もの子供(2男5女)を抱えて。物語は漱石からの過酷な仕打に耐える妻の姿を面白おかしく綴ってある。

夏目家にあの黒猫が現れなかったらと思うとゾッとしてしまう。早々