連載:百人一首

紀友則、久方の~

久方の 光のどけき 春の日に
しづこころなく 花の散るらむ

日の光がのどかにさしている春の日に
桜の花は、どうして落ち着いた心もなく急いで散っているのだろうか。

■■紀友則■■
紀友則(きのとものり)は、紀貫之のいとこで、貫之より二十歳くらい年上
40歳を過ぎるまで大した官職につけなかった

やがて天皇の行動を記録する内規という要職につく
文筆に優れていないと務まらない仕事だったので
文章力はかなりあったと思われます。

古今集の選者のひとり
三十六歌仙のひとりでもあり、歌人としてはかなりの実力者

■■鑑賞■■
久方の、は天、空、日にかかる枕詞