連載:百人一首2

清原深養父、夏の夜は~、可愛い歌

夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを
雲のいづこに 月宿るらむ

夏の夜は短くて、
まだ宵の口と思っているうちに明けてしまったのに
沈む暇もないだろう月は、雲のどこに隠れているのだろうか

■■清原深養父■■
清原深養父(きよはらのふかやぶ)は清少納言の曾祖父(ひいおじいちゃん)
内気で純情
一生出世しなかった
琴の名手でもあり、あの紀貫之が、彼の琴を聞いて
あしびきの 山下水は 行きかよひ 琴の音にさへ ながるべらなり
(琴の音が、まるで山のふもとを流れる川のようだ)
よほどですね

■■鑑賞■■
月を詠むときは秋の夜長を詠む
夏の夜の短さを詠むのは、か