連載:宗教

救われるとは

妙好人の逸話には、悩む信者が救いというものがわからないと相談する話が多い。あるいは死んだらどうなるのか、どうにも安心ができないという嘆願だ。

そしてお決まりの答えは、阿弥陀如来にお任せするのだというもの。しかしそれで、ああなるほどと納得できるなら苦労はないわけで、それはどういうことかと問答が続く。

いったい救われるとは、どういうい状態のことをいうのか、よく考えればはっきりしない。どうなれば救われたとなるのか。

三田源七という妙好人が、やはり篤い信者という名高い和兵衛という人物を尋ねた。このころ源七はまだ信心が固まっていなかったようである。いっぽう和