浅田次郎の「初湯千両―天切り松 闇がたり〈第3巻〉

★3.5 シリーズ3作目、6編。

「初湯千両」は寅弥の203高地経験、「共犯者」は常次郎のひとり芝居、「宵待草」はおこん姐さんと竹久夢二の恋模様、「道化の恋文」は松蔵とサーカスの息子との話。

「銀次蔭盃」は安吉の供をして網走に銀次に接見。安吉は銀次に語る。松蔵に盃を授けるのではなく己の息子として育てたいと。安吉も松蔵と同じ年ごろに捨て子として銀次に拾われていたのだ。盃を安吉に与えたことを詫びる銀次、自分の望んだことだとそれを遮る安吉。

「大楠公の太刀」は栄治と赤坂の芸妓・小龍の物語。小龍は伊藤博文が名刀「小龍影光」から命名したという大東京百美人の名