森真沙子の「花と乱  時雨橋あじさい亭2」。

★3.5 シリーズ2作目。
時代は幕府から追われていた清河八郎が許され京へ登る文久3年(1863年)。

同行の鉄太郎は清河の変貌(将軍警護のはずが、天朝の直臣となることを画策)でまた江戸へ、清河は斬首される。

28歳で清河に肩入れする鉄太郎はちょっと判り難い時期ではある。隣家の高橋家との関係などは陣太鼓事件などを借りうまく描いている。

ニセ駱駝興行事件や鉄太郎の浅利又七郎への入門事件など、史実をうまく物語に織り込んでもいて面白い。

タイトルを「あじさい亭」とした意味が少し理解できた気がする。作者は14歳のお采の眼を借り、暑苦しい鉄太郎をさらりと描