高橋義夫の「さむらい道 上 - 最上義光 表の合戦・奥の合戦」。

★3.5 あの「御隠居忍法シリーズ」の作者。

上巻は最上義光(よしあき)の16歳~38歳(1583年)間を描く。

山形城で父の義守から廃嫡された義光は高擶城に幽閉されるが、一部の家臣団に担がれ帰城する。

父と弟を追い、周囲の諸城との抗争を繰り返す。巻末では国内の最大勢力・天童氏と雌雄を決す機も熟したという展開。

隣国の伊達氏、国分市、大崎氏などが大きな脅威となっているが、国内統一が急がれる政情で、京では信長から秀吉に移行している。

作者が満を持して地元(作者は山形市在住)の戦国物語に取り組むという気概が感じられる。先に義光の娘を扱った「駒姫: