連載:宗教2

根源的な不安について(自分のためのメモ)

若い頃、キルケゴールの主要著作を熱心に読んだ。
『不安の概念』、『死に至る病』、『誘惑者の日記』、
『あれかこれか』など、いずれの書の根底にあるのは、
人間存在がさらされている不安というものを基本に
している。その思想の流れをくんでいるのが、
ハイデッガーといっていいだろうと思う。

人間という存在は、自由な存在としてこの世界に
投げ出されている存在なのだという言明は、
刺激的であった。そして、人間存在の本質を
言い当てていると確信した。

キルケゴールは、この人間存在の自由というものが、
不安の根拠であるというふうに結論づける。
自由であるということは