ストラスブールのノートルダム

本を買うと、奥付に購入月日をゴム印で押す。そして読了すると、そこにその日を記入する。
 だから、何時読んだのか、まだ読んでいないのかは、そこを見れば判る。読んでいないものも随分あるが、自室の椅子に座って周りの本の背表紙を見ながら、これを読んで次にこれ、と眺めているだけで心楽しくそれが至福の時でもある。
 その譬えは、封建専制君主が後宮に何千と女性を囲っている男の欲望と一緒にしては品がよくないし、そもそも私の日記を読んで下さる幾人かの姫君には猛顰蹙を買ってしまうだろう。

 真面目に。
 92.11.2に求めた田中憲一著『ドリーマー号最後の旅 ヨーロッパ運