ストラスブールのパイプオルガン

現地に住む日本人ガイドのアリ・幸子さんは、「昨日は大変な嵐で、雹も降ったのですよ。今日も昼まで雨でした」と、すっかり晴れ上がったストラスブールの街中をイヤホーンを通して案内してくれた。
 ノートルダム大聖堂は実に多くの歴史的事象に曝されながら、ヴォージュ産の薔薇色砂岩のやや黒味を帯びたコントラストを浮き立たせて、いつも屹然と聳え立っていたのだ。
 「宗教改革」の新旧両派の激しい争いのただ中で取り合いにされたり、また1770年にルイ十六世に嫁ぐためにこの地に立ち寄ったマリー・アントワネット(その場にゲーテもいて見ていた)も、フランス革命では命を落としたがそ