蜂谷涼の「雁にあらねど」。

★3.5 廻船問屋の隠居した主・勘右衛門をとと様と呼んで箱館の町で育った娘ナギ。

母は幼いころ死んだと聞かされていた。ナギにはおせんという幼馴染がいる。

箱館開港から3年、外国人が行き交う町となっている。おぞましい夢を見、らしゃめん、あいのこと囃されるナギ。

そして箱館戦争、勘右衛門も亡くなり、ナギは己の出生の秘密を知って成長していくのだが。

居酒屋「梅の」の女主は梅乃、あの油津も客の常連。いろんな物語が繋がりながら箱館の町の移り変わりをも描いている。ナギも最後は絵の修行に英国へ。

勘右衛門やおせんがいい味を出している。

このシリーズもこれが