『スペシャル新年会』

『どうしてこんなに寒いんだろう』
『なに、詩人みたいなこと、言ってるんだい』
『どうして、まだ、春は見えないんだろう』
『おまえ、ほんと、長生きするよ』
『どうして、俺の頼んだ熱燗は、まだ、来ないんだろう』
『なんだ、そういうことか。 それが一番言いたかったことなんだ』
『当たり!』
『仕方ないじゃないか。 今日は、スペシャル新年会なんだから』
『そうだよな。 この人数に、ママひとりじゃ大変だろうな。 よし、俺、手伝ってくる』
『俺も、行くよ』

ふたりの男は、大忙しのママを慣れた手つきで手伝い始める。 二千円で、何でも好きなものが飲めて、食べられる一月