天窓に星明るくて夜空藍

 冬青空わが魂を吸ふごとし  相馬遷子

 冬青空わたしの羽音ありにけり  吉田悦花

 冬青空噴水勢ひ取り戻す  高澤良一

 冬青空夜は万年筆の中  高野ムツオ

 冬青空涙とともにパンを食べ  堀井春一郎

 冬青空秋田武家町土塀寂び  村田 脩

 一すじの鎖にすがり絶頂の青空へ  荻原井泉水

 碧空の街赤いバッグ提げ闊歩  アロマ

 風強く揺れ惑う木々青空に  アロマ

 花過ぎの青天一日氷のごとし  下村槐太 天涯

 碧空に艶やか陽光巡らせて  アロマ

 柿の朱がぽつん~と青空に  日野草城

 久方の青空の夏燕かな  石塚友二