花の色碧空冴えて冷え冷えと

 鉄骨の碧空ふかく鋲をうつ  細谷源二

 天竺に青空ありて鳥雲に  青木啓泰

 土砂降りのあとの青空風の盆  谷木千世子

 日暮まで椎葉青空花山葵  神尾季羊

 日輪に青空敷いて山開き  坪 正己

 二度塗りのごとき青天寒土用  中村明子

 日もすがら碧空を恋ひ石蕗の花  飯田龍太

 燃ゆる日や青天翔ける雪煙  相馬遷子

 如月や青空市のひかり物  中坪達哉

 武蔵野に青空きまる初日記  金子登美枝

 武蔵野は青空がよし十二月  細見綾子

 風船の早や青天に見放さる  右城暮石 声と声

 碧空やわれに束の間てんと虫  金子皆子