宮部みゆき の 堪忍箱

★3.5 ずいぶん前に読んだ記憶のあるタイトルだが、内容はすっかり忘れていた。人の持つ心の陰の部分を描く不思議な短編8作。

初期(デビュー9年目の頃)の作品である。全体を通して作者独特の言い回しが多く、噴き出してしまうことも度々。このあたりは最近の作風とはずいぶん異なるようだ。

NHKのラジオ文芸館では「十六夜髑髏」と「てんびんばかり」の2作品が紹介されたようだ。

ソババッケの好みとしては、捨て子として拾われた3人の子供と養父母それぞれが持つ秘密を扱った「お墓の下まで」と、母親が好きだったというやさぐれた男の最後を扱った「砂村新田」の2作。

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