連載:癌2

「助けられることに慣れていない」

透き通っている。表面に全く曇りがない。床に散った姿も遜色ない。外で見るより綺麗だ。夜になって蛍光灯の光で見るのもいい。花びらに映った影もいい。

水仙の花もそうなのだろうか。二鉢を室内に入れた。外では下向きだったが、しっかりと前を向いた。後ろの窓からの光で花が透き通る。

石油ストーブを点けた室内に、椿とクンシランと水仙。これ以上一体何が要るだろう、などと一人で笑う。



普段は忘れているが、ちょっとでも体に異変があるとたちまち不安が膨らんでしまう。

おかしい、肉や固いものが美味しくない。唾を飲み込むとき違和感がある。長く喋ると痛みがある。粉末の「龍