連載:絵画

デッサンは絵画だろうか?

デッサンは絵の基礎であって、形状や明暗をとらえる訓練なのだというのが公式の答えになる。しかしそれは本当だろうかという思いをずっと抱いている。

デッサンは訓練なのですよと、絵画教室でつい言ってしまうけれど、ほんとうは作品と言えるレベルのものがあるのではないかと思っている。

それは見る側のものが、練習描きの描き散らしたものという見方から、もう一歩踏み込み、そのデッサンに惚れ込むというところまで行ったとき、それは絵画作品になると思う。

むかし、ピカソが十代の頃に描いたと言われる男性の全身デッサン画を本で見たとき衝撃を覚えた。デッサンの枠を超えていて、すで