連載:古代の迷宮

山野辺の道 二つの神

大神(おおみわ)神社は薫風五月の風を受けて健やかに佇んでいた。昨夜来の雨で澄みきっている空気は、掛け柱ニ本の間に注連縄を渡しただけのシンプルな縄鳥居をことさら凛とばかりに引き締めている。

このシンプルな、それでいて畏れを感じさせるこの鳥居は出雲でも見たことがある。 そう注連縄と言えば巨大な注連縄が出雲大社の 拝殿前に大きく 飾られている ことでも有名である。

一般的な鳥居を明神型と言うのに対してこちらは単に縄鳥居、どちらもここから神域とう意味の結界を表す。ここ大神神社では正面は明神型の鳥居で、東西の入口は縄鳥居となっている。

掛柱からもう一方の