たそがれ清兵衛(2002)

一昨日(18日・月)の晩にNHK BSプレミアムで放映されたのをリアルタイムで観賞。初見、原作(藤沢周平の複数の短編がアレンジされている)も未読。
幕末、庄内地方の弱小藩で極貧暮らしの小役人に、なまじ腕が立つばかりに降ってわいた理不尽な上位討ちの命の災難。山田洋次監督の初の渾身の本格ヒューマン時代劇。
これはもう芸術品というか文化財というか。リアルを極めたディテールの積み重ねから浮かび上がる、現代の月給取りとまったく同じきひらざむらいの悲哀は、まさにシリアスな「武士はつらいよ」で、要介護の父がいる自分にも一部が重なるだけに、主人公の境遇は身につまされた。