奈良巡り帰りは臨時バスに乗る

 天城越えのバス停に散る沙羅の花  松崎鉄之介

 水上バス東京暑くなりしかな  村山故郷

 バス停留所でしたら 立葵のあそこ  伊丹三樹彦

 高校はバス停から歩き十五分  アロマ

 郵便夫へ手を振つてゆく灼けたバス  飴山實 おりいぶ

 夕冷えの影先立ててバス来たる  橋閒石

 立葵 挙手でもとまる島のバス  伊丹三樹彦

 緑蔭や光るバスから光る母  香西照雄

 短日の灯し頃をバスにあり  星野立子

 花の露地遠く過(よぎ)りしバスの銀  香西照雄

 花の露地遠く過りしバスの銀  香西照雄 対話

 花明り経し顔なめらかバスの燈に