さらなる飛躍のために

 今野敏の「隠蔽捜査 7 棲月」を読了した。著者は、警察小説、SF、バイオレンス・アクション、伝奇小説、オカルト等、広い作風で知られた小説家で、現在、日本推理作家協会代表理事である。本書は、警察庁のキャリア官僚でありながら、事情により所轄署の署長を務める竜崎伸也の活躍を描く「隠蔽捜査」シリーズの第9作(途中で3.5と5.5がある)である。
 竜崎は朝の出がけに息子の邦彦から、ポーランドに留学したいと聞かされる。
 大森署に到着した竜崎は、システムダウンにより最寄りのの私鉄が止まっていることを知り、管轄違いにも関わらず、原因捜査のために捜査員を向かわせる。