連載:介護

「今日もまた自己満足の日記を書いてテレビ見て寝る」

今日は手強い。簡単には気分を変えない。仕方ない。どっしりと腰を据えて話を聞くとするか。幸い婆様が最後だ。

それにしてもよく喋る。「大変だった」「苦労した」という言葉を何度も言う。ご主人が亡くなってから自分も働いたとか、稼ぎはアパート代に消えたとか。聞けば結婚し、子供も生まれ、孫もでき、ひ孫まで見たらしい。そのどこが一体大変なんだか。そのフルコースは今では高嶺の花になってしまった。

もう足浴が終わってしまう。今日は足浴だけでもいいかと思ったが、もう一押ししてみるか。
「じゃあ、脱いで入っていきますか。〇〇さんが入らないとお風呂のお湯が無駄になってしまう