苦肉の策 オーディションを受けに渋谷へ

相変わらずの職探し、一向に良い目は出ない。ネットライターの仕事は、応募しても連絡が来ない案件が増えた。年齢のせいだと、負けを認めたくないが、六十路半ばを過ぎた世代に任せられる仕事はないらしい。人並みに働ける、という自負が消えそうだ。

では、趣味と実益を兼ねたらどうか、と思い、ヴォーカル募集や歌手募集でインディードに申し込んだら、早速情報がやってきた。そのうちいくつかの案件に申し込んだところ、一件だけ電話がかかってきた。面接に来てください、と言うあり難い電話だった。「声を聞かせていただきますので、用意してきてください。」と言われた。

そして、約束の30