屋根の上日向水して風呂の湯に

 日向水に玉蜀黍の映りゐる  滝井孝作 浮寝鳥

  日向水ひろごる雲をうつしけり  久保田万太郎 草の丈

  日向水ほどに温もる忘れ潮  山内遊糸(蘇鉄)

 日向水二歳の弟子よあればあれ  加藤郁乎 江戸桜

 日向水今在る今のなつかしく  小澤實

  日向水使ひし後を打水に  野見山ひふみ

 日向水凝然として黄熟す  相生垣瓜人「微茫集」

 日向水時刻違はず海女戻る  森田峠(かつらぎ)

 日向水湯よりもあつく沸きにけり  森川暁水 黴

 留守の戸に海女が汲み置く日向水  大橋敦子

 訪れて留守の家なる日向水  村岡 悠

 使わ