デートの呪い

 柚木麻子の「デートクレンジング」を読了した。著者はオール讀物新人賞を受賞してデビューした小説家で、「ナイルパーチの女子会」で第28回山本周五郎賞を受賞している。本書では、三十路半ばの女性達の友情と、婚活と妊活に纏わる悲喜交々の騒動が描かれている。
 三十五歳の佐知子と実花は、学生時代からの友人であるが、栄養士だった佐知子は結婚したが子供が生まれないために、仕事を止めて義母の経営する古い喫茶店「ミツ」を手伝いながら、妊活に励んでいる。一方ラテン系美女の実花は独身で、人気アイドルグループ「デートクレンジング」の美人マネージャーとして活躍していたが、グループ