枝豆に孤独親しむ夏の宵

 一人居に傾れる如く若葉して  アロマ

 盛り上がる野点の泡の細かくて アロマ

 茎立(くくだち)や子なき夫婦の相孤独  西本一都

 犬ふぐり一ぱい咲いてゐる孤独  加倉井秋を

 傘で指すボタ山するどく孤立して  穴井太 穴井太集

 散るさくら孤独はいまにはじまらず  桂 信子

 手入れよき庭が鈴蘭孤独にす  稲畑汀子

 春愁や孤りと孤独とは違ふ  田畑美穂女

 春燈のもと愕然と孤独なる  桂 信子

 小春日を跳んでも跳んでも孤独です  上村益穂

 孤独育つ古りて銘なき夏茶碗  殿村菟絲子

 枝豆に孤独親しむ夏の宵  アロマ

 孤