書肆の棚百円の児童文学書

 書肆覗く葡萄一籠さげたれど  石田あき子 見舞籠

 書肆薄暑明治のホトトギスありし  高田風人子

 夕暮れの商店街の書肆  アロマ

 秋灯の書肆をオアシスとも思ふ  岩崎照子

 春時雨ひととき書肆を暗くせり  山本歩禅

 初買を本と定めて書肆覗く  川又百合子

 しぐるるや坂に向き合ふ酒場書肆  山田 文男

 ビバルディ流るる書肆や合格子  高橋秀夫

 プラタナスの花咲き河岸に書肆ならぶ  加倉井秋を

 岩波文庫といへども煖房の書肆に漁る  石田波郷

 鬼百合が漂うている夜の書肆  大西泰世

 サンダルで本屋を覗く四温かな  石川