8、ブルガリアヨーグルト

村役場を過ぎて間もなく、その民家があった。
 実際にヨーグルト作りを見せてくれて、そのできたてをご馳走してくれるという。
 通りから木戸を潜って中に入るとそこは中庭になっていて、長テーブルにはきれいなテーブルクロスがかけられ、ブルガリア陶器の小さな器がたくさん並べられていた。
 ブルガリアというと真っ先にヨーグルトと思い浮かべるほど国名と製品が深く結びついて、つい口を突いて出てくるものはそう多くない。まして国の位置もよく分らないようなマイナーな国なのに。
 民族衣装を着た還暦過ぎと思われる婦人が、言葉少なにミワさんの通訳を介してヨーグルトの作り方を教えて