人智を超えた予測能力

 東野圭吾の「魔力の胎動 」を読了した。著者は直木賞作家で、ミステリーを主分野としている。本書は「ラプラスの魔女」の前日譚で、人智を超えた予測能力を持つヒロインの活躍が描かれる。
 本書のヒロインは、「ラプラスの魔女」と呼ばれる羽原円華である。円華は事故に遭った際、父親である天才的脳外科医で開明大学教授である羽原全太郎の手術を受け、超常的な予測能力を持つに至っている。本書では明示されないが、そのために彼女は独立行政法人「数理研究所」に所属し、退職警官の武尾徹の厳重な警護を受けている。なお、「ラプラスの魔女」とは、フランスの科学者のラプラスが提唱した、「物