劣等感に育てられた最高のろくでなしの物語「映画:ボヘミアン・ラプソディ」

 ロックのシンボル、ゲイのシンボル、スーパー・スターのシンボル・・・、そして劣等感のシンボル。この男ほど絵になるロック・スターは居ない。

 天才にしてロクでなし、劣等感を打ち消すための究極のナルシストの物語。ボヘミアン・ラプソディという映画は、フレディーマーキュリーと言うロック・シンボルをどん底まで貶め、それでも尚、ロックシーンの中で光り輝く姿を描く。劣等感に押しつぶされる弱い面を見せるから、フレディーは愛された。だから、フレディーは神格化された。

 この映画の下敷きとなったのは、フレディー・マーキュリーのドキュメンタリー映画「クイーン フレディ・マ