三つ目で地下鉄を降り酉の市 高澤良一 燕音
畦道や月も上りて大熊手 酉の市 正岡子規
見えつつも鳥居の遠し酉の市 瀬田幸子
降りやまぬ雨に店解く酉の市 深町丘蜂
子をつれし裏店者や酉の市 酉の市 正岡子規
時雨にもあはず三度の酉の市 時雨 正岡子規
七味売りに蕎麦がとどけり酉の市 若月瑞峰
七味売る口も八丁酉の市 高澤良一 燕音
若夫婦出してやりけり酉の市 高浜虚子
松葉屋の女房の円髷や酉の市 久保田万太郎 流寓抄
人ごみにまぎれて僧や酉の市 西沢信生
人の名を思ひ出せずに酉の市 辺見