明治の女性文学史

 葉室麟の「蝶のゆくへ」を読了した。著者は直木賞作家で、時代・歴史小説がテリトリーであり、出身地である北九州を舞台とした作品が多い。本書は、明治女学校に学んだ星りょう(星良、後の相馬黒光)の姿を通し、明治時代後期の芸術界、主として文学界、を描いた作品である
 明治28年(1985年)春、星りょうは横浜のフェリス和英女学校から九段下牛ヶ渕にあった明治女学校に転校する。りょうは旧仙台藩士の三女として生まれ、高等小学校時代は聡明なことからアンビシャスガールと呼ばれる。その後りょうは宮城女学校に入学するが、アメリカ式教育の押しつけに反発する斎藤冬子、小平小雪達に