1.乾山晩愁 (2005.10) 2.実朝の首 (2007.05) 3.銀漢の賦 (2007.07) 4.風渡る (2008.07) https://smcb.jp/diaries/4753461 5.いのちなりけり-雨宮蔵人シリーズ- (2008.08) 6.秋月記-秋月藩シリーズ- (2009.01) 7.風の王国-官兵衛異聞- (2009.09) https://smcb.jp…
葉室麟の「暁天の星」を読了した。著者は直木賞作家で、時代・歴史小説がテリトリーであり、出身地である北九州を舞台とした作品が多いが、2017年12月に亡くなっている。本書は、明治新政府で外務大臣として活躍した陸奥宗光を描いた未完の遺作「暁天の星」と、坂本竜馬の姉を描いた短篇「乙女がゆく」を収録した作品である。 「暁天の星」:陸奥宗光は、徳川御三家の一つである紀州徳川家の名門の家臣の家に生まれる…
葉室麟の「影ぞ恋しき」を読了した。著者は直木賞作家で、時代・歴史小説がテリトリーであり、出身地である北九州を舞台とした作品が多い。本書は、「いのちなりけり」「花や散るらん」に続く三部作の完結編であり、龍造寺家庶流の娘である妻の咲弥と、吉良上野介の孫で蔵人夫婦の養女である香也を護るために、元肥後鍋島藩の支藩である小城藩の藩士の雨宮蔵人が幕閣を相手に獅子奮迅の戦いをする姿を描いた時代小説である。 …
葉室麟の「蝶のゆくへ」を読了した。著者は直木賞作家で、時代・歴史小説がテリトリーであり、出身地である北九州を舞台とした作品が多い。本書は、明治女学校に学んだ星りょう(星良、後の相馬黒光)の姿を通し、明治時代後期の芸術界、主として文学界、を描いた作品である 明治28年(1985年)春、星りょうは横浜のフェリス和英女学校から九段下牛ヶ渕にあった明治女学校に転校する。りょうは旧仙台藩士の三女として…
葉室麟の「青嵐の坂」を読了した。著者は直木賞作家で、時代・歴史小説がテリトリーであり、出身地である北九州を舞台とした作品が多い。本書は、架空の藩である扇野藩を舞台とした時代小説である。なお、扇野藩は以前、著者の作品の「さわらびの譜」および「はだれ雪」で登場している。 扇野藩の財政は五年前、「お狐火事」よ呼ばれる大火で城下の大半が焼けたことと、その年の秋に大雨があり、二十年振りの凶作になったこ…
葉室麟の「雨と詩人と落花と」を読了した。著者は直木賞作家で、時代・歴史小説がテリトリーであり、出身地である北九州を舞台とした作品が多い。本書は、天領の豊後日田出身の儒者・漢詩人であり、私塾・咸宜園の塾主でもある広瀬旭荘と、彼の妻の松子との夫婦愛を描いた作品である。なお著者は、昨年亡くなっており、本書は作者没後に出版された三作目の長編小説である。 天保三年(1832年)12月、広瀬旭荘は二人目…
葉室麟の「玄鳥さりて」を読了した。著者は直木賞作家で、時代・歴史小説がテリトリーであり、出身地である北九州を舞台とした作品が多い。本書は、九州肥前の架空の藩である蓮乗寺藩を舞台とした時代小説である。なお、蓮乗寺藩は一度、著者の作品の「おもかげ橋」で登場している。蓮乗寺藩は忍坂藩の支藩であり、現在の藩主は忍坂藩の出身である。 蓮乗寺藩の書院番三浦圭吾は、10年前に島流しとなった樋口六郎兵衛が帰…
物語は現在から過去に戻って、間小四郎が誕生するところまで遡る。間小四郎は小さい頃は臆病で、その臆病さのために妹を助けることができず、妹は幼くして亡くなってしまう。小四郎は自らの恐怖心から逃げないで強くなることを誓う。長じるに及んで小四郎は武術も強くなり、藩内でも頭角を現すようになる。若手の改革派7人で、家老の宮崎織部の専横を本藩の福岡藩に訴える。「織部崩れ」が起こる。 しかし、これは本藩の…
葉室麟の「天翔ける」を読了した。著者は直木賞作家で、時代・歴史小説がテリトリーであり、出身地である北九州を舞台とした作品が多い。本書は、幕末の四賢侯の一人、越前福井藩主松平春嶽の一生を描いた歴史小説である。 物語は文久3年(1863年)3月、春嶽の軍師格の横井小楠が、福井藩兵4000名を率いての挙藩上洛を上申し、藩内が騒然とした場面から始まる。その時、勝海舟の紹介で坂本龍馬が福井を訪れ、春嶽…