「葉室麟」の日記一覧

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著者別インデックス:国内(葉室麟)

1.乾山晩愁 (2005.10) 2.実朝の首 (2007.05) 3.銀漢の賦 (2007.07) 4.風渡る (2008.07)   https://smcb.jp/diaries/4753461 5.いのちなりけり-雨宮蔵人シリーズ​- (2008.08) 6.秋月記-秋月藩シリーズ​- (2009.01) 7.風の王国-官兵衛異聞- (2009.09)   https://smcb.jp…

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【読書】川あかり

【読書】川あかり 題名:川あかり 作者:葉室麟  この男、かっこいいな。  読み進むうちに、その思いが強くなる作品だった。  川止めされている大きな川を目の当たりにして、途方に暮れている若者がいる。  彼は、ある命を受けて川が明けるのを待たねばならなかった。  彼は藩で一番の臆病者と呼ばれ、彼自身もそう自覚していた。それなので藩の中で起きている騒動にも関わらぬようにしていたのだが、そんな彼…

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【読書】あおなり道場始末

【読書】あおなり道場始末 題名:あおなり道場始末 作者:葉室麟  葉室麟さんの作品を読むのは2作目となる。  前回の「はだれ雪」とは作風が全く違い、娯楽性の強い作品だった。巻末の解説を読んでみると、出版社によって作品の内容や傾向を分けているところがあるらしい。  ちなみに、佐伯泰英さんと同じく葉室麟さんも北九州出身出そうだ。  舞台は九州豊後の坪内藩。城下に六つある剣術道場の中の一つに…

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【読書】はだれ雪

【読書】はだれ雪 題名:はだれ雪 作者:葉室麟  以前、岡田准一くんが出演していた映画「蜩ノ記」「散り椿」を観ていたことから、原作者である作家の葉室麟さんの作品を読んでみたいと思っていた。  葉室麟さんの作品では、架空の藩を舞台にした物語がいくつかあり、この「はだれ雪」という作品は、「散り椿」と同じく、扇野藩という架空の藩を舞台にしている。  角川書店から出されている作品では、同じく扇野藩…

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日本の近代に挑む

 葉室麟の「暁天の星」を読了した。著者は直木賞作家で、時代・歴史小説がテリトリーであり、出身地である北九州を舞台とした作品が多いが、2017年12月に亡くなっている。本書は、明治新政府で外務大臣として活躍した陸奥宗光を描いた未完の遺作「暁天の星」と、坂本竜馬の姉を描いた短篇「乙女がゆく」を収録した作品である。  「暁天の星」:陸奥宗光は、徳川御三家の一つである紀州徳川家の名門の家臣の家に生まれる…

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いのちの物語

 葉室麟の「影ぞ恋しき」を読了した。著者は直木賞作家で、時代・歴史小説がテリトリーであり、出身地である北九州を舞台とした作品が多い。本書は、「いのちなりけり」「花や散るらん」に続く三部作の完結編であり、龍造寺家庶流の娘である妻の咲弥と、吉良上野介の孫で蔵人夫婦の養女である香也を護るために、元肥後鍋島藩の支藩である小城藩の藩士の雨宮蔵人が幕閣を相手に獅子奮迅の戦いをする姿を描いた時代小説である。 …

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明治の女性文学史

 葉室麟の「蝶のゆくへ」を読了した。著者は直木賞作家で、時代・歴史小説がテリトリーであり、出身地である北九州を舞台とした作品が多い。本書は、明治女学校に学んだ星りょう(星良、後の相馬黒光)の姿を通し、明治時代後期の芸術界、主として文学界、を描いた作品である  明治28年(1985年)春、星りょうは横浜のフェリス和英女学校から九段下牛ヶ渕にあった明治女学校に転校する。りょうは旧仙台藩士の三女として…

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堀川国広の短刀

 葉室麟の「青嵐の坂」を読了した。著者は直木賞作家で、時代・歴史小説がテリトリーであり、出身地である北九州を舞台とした作品が多い。本書は、架空の藩である扇野藩を舞台とした時代小説である。なお、扇野藩は以前、著者の作品の「さわらびの譜」および「はだれ雪」で登場している。  扇野藩の財政は五年前、「お狐火事」よ呼ばれる大火で城下の大半が焼けたことと、その年の秋に大雨があり、二十年振りの凶作になったこ…

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散り椿

9月28日から上映が始まった岡田准一主演の時代劇映画「散り椿」を観てきた。 直木賞作家、葉室麟の作品です。 岡田准一は時代劇もこなす売れっ子俳優です。 妻の遺言を果たすべく8年振りにふるさとの藩に戻りその思いを遂げる剣士の物語。 岡田の演技も、脚本も良い。 見ごたえのある時代劇で感涙ものでした。

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東国詩人の冠

 葉室麟の「雨と詩人と落花と」を読了した。著者は直木賞作家で、時代・歴史小説がテリトリーであり、出身地である北九州を舞台とした作品が多い。本書は、天領の豊後日田出身の儒者・漢詩人であり、私塾・咸宜園の塾主でもある広瀬旭荘と、彼の妻の松子との夫婦愛を描いた作品である。なお著者は、昨年亡くなっており、本書は作者没後に出版された三作目の長編小説である。  天保三年(1832年)12月、広瀬旭荘は二人目…

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葉室麟 の 津軽双花

★3.3 弘前藩の2代信枚に嫁いだ石田光成の三女・辰姫と後に正室として入った家康の養女・満天姫(家康の姪、久松家)の物語。 光成の次男・重成は関ケ原時に先に弘前に匿われている。西軍敗戦の後高台院の養女となっていた辰姫は信枚に嫁ぎ3代藩主の信義を生む。 満天姫は関ケ原時には福島正則の養子・正之に嫁ぎ長男・直秀を得たが、正則の実子が成長すると正之は廃嫡され、満天姫は直秀を伴い実家に帰っていた。 …

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居合術の妙技

 葉室麟の「玄鳥さりて」を読了した。著者は直木賞作家で、時代・歴史小説がテリトリーであり、出身地である北九州を舞台とした作品が多い。本書は、九州肥前の架空の藩である蓮乗寺藩を舞台とした時代小説である。なお、蓮乗寺藩は一度、著者の作品の「おもかげ橋」で登場している。蓮乗寺藩は忍坂藩の支藩であり、現在の藩主は忍坂藩の出身である。  蓮乗寺藩の書院番三浦圭吾は、10年前に島流しとなった樋口六郎兵衛が帰…

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葉室麟「秋月記」

 物語は現在から過去に戻って、間小四郎が誕生するところまで遡る。間小四郎は小さい頃は臆病で、その臆病さのために妹を助けることができず、妹は幼くして亡くなってしまう。小四郎は自らの恐怖心から逃げないで強くなることを誓う。長じるに及んで小四郎は武術も強くなり、藩内でも頭角を現すようになる。若手の改革派7人で、家老の宮崎織部の専横を本藩の福岡藩に訴える。「織部崩れ」が起こる。  しかし、これは本藩の…

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今年は歴史時代小説と決めての3連続

玄鳥さりて     葉室麟 葉室作品の3作目 実に面白く読んだ。遅読のオイラが1週間かからなかったのだ。快挙である。 時代小説は、現代に通ずる所があって、色々頭に去来する物が有る。 友情とは 近くに居ても、遠くで暮していても、自らが友と思えば友。 心ならずも裏切る事が有る。しかし、いつまでも悔いが残るのが友。 そして、窮地にある時は、どんな事をしても助けたいと思うのが友。 身の丈 自分の…

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鷹の如く

 葉室麟の「天翔ける」を読了した。著者は直木賞作家で、時代・歴史小説がテリトリーであり、出身地である北九州を舞台とした作品が多い。本書は、幕末の四賢侯の一人、越前福井藩主松平春嶽の一生を描いた歴史小説である。  物語は文久3年(1863年)3月、春嶽の軍師格の横井小楠が、福井藩兵4000名を率いての挙藩上洛を上申し、藩内が騒然とした場面から始まる。その時、勝海舟の紹介で坂本龍馬が福井を訪れ、春嶽…